Sound Blaster 16 for PC-9800 (CT2720)

1994年2月製造。海外ではSound Blaster 16は大変普及しDOSゲームでもWindowsゲームでも必須であった。しかし、日本国内のPC98市場においては、従来の標準的なサウンドボード(PC-9801-26K)と互換性を確保しつつ機能を拡張したNEC純正の86音源が存在していたため、こちらはマイナーな存在であった。
実際、PC98版MS-DOS対応ソフト・ゲームでこのサウンドボードに対応しているものはほとんどなく、DOSではほとんど使い道がない。しかしWindows 3.1や95に限定すれば、86音源よりも安定したPCM録音再生機能やOPL3による内蔵MIDI音源が案外使える代物であった。
オプションのAdvanced Signal Processor(型番：SB-ADSP/J)を取り付けると録音時にADPCMハードウェアエンコードが利用できる。またYM2203とYM3014(型番：SB-YM/J)を取り付けるとPC-9801-26K相当のFM音源サウンド機能が利用できるようになる。MIDI音源ドーターボードのWaveBlasterも搭載可能。

AdLib Music Synthesizerを祖としてSound Blasterシリーズで採用されていたFM音源OPL3(YAMAHA YMF-262-M)とそのDAC(YAC512-M)。

音質についてだが、傾向としてはSound Blaster Live!のドンシャリ傾向な音からさらに低音を強めた感じ。FM音源は予想していたよりもきれいに鳴る。しかし、PCM音源(CD音源)を鳴らすと中高音に厚みがなく、やたら出しゃばる低音が邪魔になる。未改造の86音源ほどは音にノイズが乗らないものの、音量をゼロにしても聞こえるヒスノイズがやや気になる。

○ディップスイッチの設定 (X=Closed, O=Open)

出荷時の設定 : XXXOOOOOO

○ジャンパピンの設定

・3ピンジャンパ(JP2,JP3) : Advanced Signal Processor装着/未装着
1-2,1-2 : 未装着時
2-3,2-3 : 装着時

・3ピンジャンパ(JP4,JP5) : YM2203装着/未装着
1-2,1-2 : 未装着時
2-3,2-3 : 装着時

○ドライバの導入

デバイスドライバーの構成やインストール方法は本家IBM PC版やDOS/V版とほとんど同じ。

ドライバーディスクはフロッピーディスク3枚(Installation Disk、Application Disk、Accessories Disk)で構成されている。現在もクリエイティブのサイトからドライバをダウンロード入手できる。インストール方法は、MS-DOSを起動したらドライブにInstallation Diskを挿入して「B:INSTALL A:」(HDがAドライブ、FDがBドライブの場合)を実行する。

ドライバのインストールが完了したら、インストール先ディレクトリ(標準ではA:\SB16)に移動して「DIAGNOSE」コマンドを実行し、Sound Blaster 16 診断ユーティリティを起動する。IOアドレス、IRQ、DMAなどのリソースの設定を行う。

○非PnPリソースの設定

割り込み、DMAは設定した値を指定する。IOポートは20dxh、80dxh、c8dxhで、xには設定した値を指定する。メモリアドレスの指定は不要。
自作したボード情報設定ファイル(*.CFG)を下記リンクの『Trashbox』に置いたのでご自由にどうぞ。設定方法は本体付属の『プラグ&プレイサポートソフトウェア コンフィグレーションユーティリティ ユーザーズガイド』『非リストボードの追加』を参照。

○MS-DOS起動時のメッセージ

Creative DOS Multimedia Architecture (v1.00)
CTSOUND Physical-Level driver (v1.02) for Sound Blaster 16.
Copyright (C) Creative Technology Ltd., 1993. All rights reserved.
    ドライバ・ユニット番号 = 0
    ベース I/O アドレス = D2 hex
    IRQ = 5
    DMA チャネル = 3


Creative DOS Multimedia Architecture (v1.00)
CTMMSYS Integration driver (v1.01)
Copyright (C) Creative Technology Ltd., 1993. All rights reserved.

サウンドカードは以下のように構成されました : AD2 I5 D3


Sound Blaster 16 Mixer Control Version 1.01
Copyright (c) Creative Technology Ltd., 1993-94. All rights reserved.

M:           左 : └-------------O--┘   右 : └-------------O--┘
VOC:         左 : └-------------O--┘   右 : └-------------O--┘
MIDI:        左 : └-------------O--┘   右 : └-------------O--┘
CD:          左 : └-------------O--┘   右 : └-------------O--┘
LINE:        左 : └-------------O--┘   右 : └-------------O--┘
TREBLE:      左 : └O---------------┘   右 : └O---------------┘

○音量調整

Sound Blasterのマスターボリュームや各音源の音量は、DOS上ではSB16SETコマンドで行う。またAUTOEXEC.BATにあるSB16SETコマンドのスイッチを変えれば起動時点の音量を変更できる。Windows上ではクリエイティブ・ミキサーで音量調節を行う。

○メディアプレーヤー (Soundo'LE)

○Sound Blaster 16シリーズ 製品一覧 (価格は1994年時点の実売価格または希望価格)

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Update : 09/02/2013

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