PC-9801BX2をODPを使って66Mhzにクロックアップ
ODP(オーバードライブプロセッサー)を使ってNEC PC-9801BX2を66MHzにクロックアップする。実質オーバークロック。
まあ出尽くした話題を改めて掘り起こしているだけなんですが。
○機種の概要
PC-9801BX2は1993年11月に日本電気株式会社から98FELLOWシリーズの第2世代として発表されました。98FELLOWシリーズは上位機種の98MATEシリーズからWindows対応のためのマルチメディア機能などを省略したローエンド機で、企業でDOS専用機としての利用を視野に登場しました。安価だったためホビーユーザーにも好まれ、自分でウインドウアクセラレータボードや86音源ボードを購入してDOSゲーム&Windows兼用機にする人もいました。-M2型番はPC98では最後の5インチFDD内蔵モデルとなりました。
○ODP(オーバードライブプロセッサ)
ODPはインテルがユーザーに向けてCPUのアップグレード手段として用意したCPUです。ODPを実装するにはPCのマザーボードにODPソケットが必要です。ODPはCPUと協調して動作しているようにも見えますが、実際には元あったCPUは完全に機能を停止させて、ODPが単独で処理していました。インテルがCPUを2個売り付けたいという意図が見え見えです。しかし、メーカーが公式でCPUのアップグレード手段を用意していたことは、今からすれば特異かもしれませんね。
今回はODP486SX-20(JBOXODP486SX20)を使います。本当は25(50)Mhz品がいいのですが。
ODP表
ODP裏(ピン数は169)
○現在のCPUクロック速度を確認する。
まずは現在のCPUクロックの速度を確認します。
電源を入れるとき、またはリセットするときに[CTRL]+[CAPS]+[カナ]+[GRPH]キーを押すと、ITF(Initial Test Firmware)のハードウェア情報が表示されます。そこにCPUのクロック数も表示されます。
○ODPを実装する。 (25MHz→50MHz)
ケースを開けてマザーボード上の青いソケット(Socket 2)のレバーを上げて、ODPを差し込みます。
差し込んだらレバーを下ろします。
先と同じ手順でITF診断画面を表示させて、CPUクロックが50MHzになったことを確認します。
○ベースクロックを25MHzから33MHzにクロックアップする。(50MHz→66MHz)
基板裏側の回路を改造するため、まずは機体を分解してマザーボードを取り外します。
分解するには、まず拡張ボードを外す→バックパネルを外す→内蔵固定ディスクを外す→電源を外す→フロントパネルを外す→FDDとケーブルを外す→FDDシャーシを外す→拡張スロットシャーシを外す、という順番でパーツを外していきます。
基板裏側に2F1とマーキングされているランドがあるので、これに鈴メッキ線などを貼り付けるかはんだで結んでショートします。
外したパーツを元に戻して、PCの電源を入れます。
「Clock speed」が66MHzになっていればクロックアップは成功です。
メモリとウインドウアクセラレータを増設すれば、とりあえずWindows 95,98が動く環境に。まあWin9xは使わないにせよ、DOSやWin3.1でもCPUクロック高速化の効果を体感できるでしょう。
CPUクロックを上げると電力損失が増えるので、発熱量も増えます。ヒートシンクを付けるべきかもしれません。