PC-9801DA本体内蔵ROMと漢字ROMの内容
旧題: PC-9801DA本体内蔵ROMと漢字ROMについてメモ
○PC-9801DA 本体内蔵BIOS ROM
PC98のBIOS ROMの搭載容量は機種や製造時期によって異なり、デスクトップ機の場合は768Kbit、1.5MBit、2MBit、4MBitのいずれかである。そのうち常にメモリ空間に現れるのはBIOS/N88-BASIC(86)の96KB分で、その他は本体設定や時と場合による。PC-9801DAのROMの内容は以下の通り。
1Mbit EPROM (128K words x 8bit) x 2
ROMアドレス | サイズ | 内容 |
00000h - 0BFFFh | 48KB | (無効) |
0C000h - 0FFFFh | 16KB | サウンドBIOS |
10000h - 13FFFh | 16KB | 0C000h - 0FFFFhと同一 |
14000h - 16FFFh | 12KB | (無効) |
17000h - 17FFFh | 4KB | SASI HD BIOS |
18000h - 1FFFFh | 32KB | (無効) |
20000h - 27FFFh | 32KB | ITF/システムセットアップメニュー |
28000h - 3FFFFh | 96KB | BIOS/N88-BASIC(86) |
計2Mbit (256KB)
※補足
- サウンドBIOS - PC-9801-26Kに搭載されているROMと同一内容。N88-BASIC(86)のサウンド制御命令で使用。
- SASI HD BIOS - 内蔵ハードディスクの起動・制御プログラム。
- ITF - Initial Test Firmwareの略で、システム起動時の初期化と診断を行うプログラム。
- システムセットアップメニュー - 現在のパソコンで言うBIOS設定画面。PC-9801DAより前の機種で使われていたディップスイッチの代わり。
○PC-9801DA フォントROM (文字パターンROM)
フォントROMはメモリ空間からは完全に切り離されており、直接アクセスすることはできない。フォントデータを取得するにはキャラクタジェネレータのI/OポートやCGウィンドウを用いる。
4Mbit マスクROM (256K words x 16bit)
ROMアドレス | サイズ | 内容(下位8ビット) | 内容(上位8ビット) | 文字数 |
00000h - 0FFFFh | 128KB | JIS第1水準漢字(第1バイト) | JIS第1水準漢字(第2バイト) | 2965文字 |
10000h - 1FFFFh | 128KB | JIS第2水準漢字(第1バイト) | JIS第2水準漢字(第2バイト) | 3384文字 |
20000h - 23FFFh | 32KB | (無効) | ANK/非漢字/罫線文字(第1バイト) | 1129文字 |
24000h - 27FFFh | 32KB | (無効) | ANK/非漢字/罫線文字(第2バイト) | - |
28000h - 2FFFFh | 64KB | (無効) | 20000h - 27FFFhと同一 | - |
30000h - 31FFFh | 16KB | (無効) | 拡張漢字(第1バイト) | 388文字 |
32000h - 33FFFh | 16KB | (無効) | 拡張漢字(第2バイト) | - |
34000h - 37FFFh | 32KB | (無効) | 30000h - 33FFFhと同一 | - |
38000h - 3BFFFh | 32KB | (無効) | 30000h - 33FFFhと同一 | - |
3C000h - 3FFFFh | 32KB | (無効) | 30000h - 33FFFhと同一 | - |
計4Mbit (512KB)
※補足
- ANK文字 - Alphabet, Numeric, Kanaの頭文字でANK。半角英数カナ+半角罫線素片+半角記号。いわゆる半角文字。
- 非漢字/罫線文字 - 全角記号や全角罫線素片など。
- 拡張漢字 - マイクロソフトが定めた「Windows-31J」でNEC選定IBM拡張文字と命名されている。
- 第1バイト/第2バイト - 全角文字の場合は第1バイトに左半分、第2バイトに右半分のフォントデータが記録されている。
- 半角文字の場合は第1バイトにフォントデータが記録されており、第2バイトは無効。
- 初期の機種を除いて、漢字ROMボードや本体にRAMが搭載されており、利用者定義文字を63字または188字まで格納できる。