NEC PC-9801-26K サウンドボード
サウンドボードPC-9801-26/Kについて。
NEC PC-9801-26/K | |
価格 | 25,000円 |
出荷日 | 1985年7月 (PC-9801-26) |
1986年11月 (PC-9801-26K) | |
対応機種 | NEC PC-9800シリーズ(8086、V30搭載機種のみ) (PC-9801-26) |
NEC PC-9800シリーズ (PC-9801-26K) | |
対応OS | N88-BASIC(86) |
Windows 3.1 | |
機能概要 | OPN(FM3音、PSG3音、8オクターブ/モノラル) |
入出力 | RCA出力 1ch x 1 |
ミニジャック出力 1ch x 1 | |
スピーカー出力 | |
本体側スピーカー用出力端子 | |
JOYSTICK x 2 | |
付属品 | サウンドボード |
本体側スピーカー用接続ケーブル | |
輸出する際の注意事項 | |
ユーザーズマニュアル | |
備考 | 基本的に本体サウンド機能や他のサウンドボードとの同時使用はできない。 |
1987年12月製造。PCB識別記号(?)はG9WYK。
"PC-9801VF/VM"(1985年7月発売)とともに発売されたサウンドボード"PC-9801-26"は8ビットホビーパソコン"PC-8801mkIISR"(1985年1月発売)で採用されたFM音源"YM2203"を搭載。
しかし"Intel 80286"を搭載する"PC-9801VX"(1986年10月発表)で拡張バスの動作タイミングが変更されたため、それに対応した"PC-9801-26K"が発売された。
- 内蔵スピーカー出力端子 - 付属のケーブルで本体マザーボード上に用意された端子と接続する。
- ジャンパ - ROMアドレス、割り込み、IOポートアドレスを変更できる。写真は工場出荷時の設定。
- Mitsubishi 8KB EPROM x 2 - ここにサウンドBIOSが記録されている。
- YAMAHA YM2203 - 音源チップ。
- 中央にある大きな物体はスピーカー。
YAMAHA YM2203(OPN)とEPROM
写真で見えるICはこの3つを除けば全部汎用TTL-IC!
DACは"YM3014D"、アンプは"NJM072D"が2個と"LM386N-1"が1個で、スピーカーの下にある。
*購入ガイド
- "PC-9801-26"は8086(5,8MHz)、V30(8,10MHz)CPUの下で動作します。
- "PC-9801-26K"は"PC-9801"から"PC-9821シリーズ"まで、多くの機種に対応しています。
- プログラム上からはサウンドBIOSやI/Oポートを操作して利用するため、ドライバは付属しません。
- "PC-9801D*"や"PC-9801F*"などの機種では本ボード相当のサウンド機能をオンボードで内蔵していますが、RCA出力端子とJOYSTICKポートがありません。
- かつてジャンク品が1,000円未満で入手できる時期がありましたが、最近はあまり見かけなくなってきました。
- "PC-9801-86"が後方互換性を持っており、敢えてこのボードを入手する必要はありません。
○ストラップスイッチの設定
・5連ジャンパ(6A2) : サウンドBIOS ROMアドレス
1-10 : C8000h
2-9 : CC000h (出荷時の設定)
3-8 : D0000h
4-7 : D4000h
5-6 : ROMを無効化(メモリ空間から切り離す)
・3ピンx2連ジャンパ(6A1, 6A3) : 割り込みレベル
2-3, 2-3 : INT0
2-3, 1-2 : INT4
1-2, 1-2 : INT5 (出荷時の設定)
1-2, 2-3 : INT6
・2連ジャンパ(6A4) : I/Oポートアドレス
1-4 : 88h
2-3 : 188h (出荷時の設定)
○サウンド用ケーブルを本体に接続する
付属のサウンド用ケーブルを使って本体側のボードにある3ピンオス端子に接続することで、本体前面のスピーカーから音が出るようになる。接続方法の詳細は各機種に付属するガイドブックやハードウェアマニュアルを参照。
(引用元: PC-9801RX ガイドブック、日本電気株式会社、1989年)
○N88-BASIC(86)での利用
N88-BASIC(86)でサウンド機能を利用するにはサウンドBIOSのROMアドレスをCC000hに設定する。
その上でN88-BASIC(86)のモニタモードでメモリスイッチSW4のビット3を1にする。
またはN88-日本語BASIC(86)のシステムディスクにあるswitch.n88を利用してかんたんに設定できる。
サウンド制御命令の使用方法はサウンドボード付属のマニュアルかN88-日本語BASIC(86)のマニュアルを参照。
○参考:海外のPCサウンドカード事情
日本でPC98が市場を席巻していたころ海外ではIBM PC互換機が広く使われていたわけだが、IBM互換機のサウンドカードはどのようなものが使われていたのだろうか。
1980年代後半はCommodore AmigaやAtari STなどのホビーパソコンが登場するが、それらと比べるとIBM互換機のゲーム用途としての性能は様々な面で劣っていた。
1987年にIBMが"Music Feature(Music Card)"というサウンドカードを発売した。これはヤマハの"FB-01"という音源モジュールをカード単体に搭載したようなものだったが、495ドルと高価で普及しなかった。
同時期にAd Lib社から発売された"Ad Lib Music Synthesizer Card"は安価だったために当時のデファクトスタンダードになった。
1989年、Creative Labs社がAd Lib互換FM音源と"CMS(Creative Music System)"、JOYSTICKポートを搭載した"Sound Blaster"を発売。その後継製品はご存知のとおりPCサウンドカード市場を独占するほどの人気を得ることになった。
IBM Music Feature | 1987年 | $495 | YM2164(FM8音、ステレオ、240種類のプリセット音色)、RCA出力 2ch x 1、 ミニジャック出力 2ch x 1、MIDIポート x 1、2枚まで同時実装可 |
Ad Lib Music Synthesizer | 1987年 | $149 | OPL2(YM3812、FM9音、モノラル)、ミニジャック出力 1ch x 1 |
Creative Sound Blaster | 1989年 | $239 | Ad Lib互換FM音源(OPL2)、CMS(最大22.05kHz/2ch)、 マイク入力、ミニジャック出力 2ch x 1、JOYSTICK x 1 |
Creative Sound Blaster Pro | 1991年 | ? | OPL3相当(YM3812 x 2)、ADPCM録音/再生(最大44.1kHz/8bit/1ch)、 マイク入力(1ch)、ライン入力(2ch)、CDオーディオ入力、 PCスピーカー入力、ミニジャック出力 2ch x 1、JOYSTICK/MIDIポート |
Creative Sound Blaster 16 | 1992年 | $349 | OPL3(YMF262)、PCM録音/再生(最大44.1kHz/16bit/2ch)、 マイク入力(1ch)、ライン入力(2ch)、CDオーディ オ入力、 PCスピーカー入力、ミニジャック出力 2ch x 1、JOYSTICK/MIDIポート |
○関連
- NEC PC-9801-86
./pc980186.htm
○更新履歴
- 2011/08/15 元記事をサウンドボードごとに分割。ついでにHTMLソース整形。
- 2010/09/16 作成