NEC PC-98の雑誌広告を掘り出してみる[No.4]
上はNECパーソナルコンピュータのLavie Zシリーズのカタログパンフレット(2012年7月)の表紙。
最初のPC98互換ラップトップ機"PC-9801LS2"の厚さは103mm、本体重量は8.1kg。"Lavie Z LZ550/HS"の厚さは14.9mm、本体重量は875g。
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NEC PC-98の雑誌広告を掘り出してみるNo.3
PC-9821シリーズ初代機から98MATE ValueStarシリーズ登場までの雑誌広告。
各製品そのものの説明は最小限にとどめています。仕様などの情報はPC-9821シリーズ(Wikipedia)に詳しく書かれていますのでそちらを参照してください。
○PC-9821 model S1/S2(98MULTI) (1992年10月発表)
(月刊アスキー 1993年4月号)
Windowsを意識してグラフィックやサウンドを強化した新シリーズ"PC-9821シリーズ"の初代モデル。公募で"98MULTI"という愛称が付けられた。
しかしながら、Windowsを快適に使うには性能が不足していて、売れ行きや評価はあまりよくなかった。
○PC-9801BA/BX(98FELLOW)、PC-9821Ap/As/Ae(98MATE) (1993年2月発表)
(月刊アスキー 1993年3月号)
あちこちに詳しい解説があるので、ここではスペックの詳細には触れない。
98MATEは価格は割高だが高性能・多機能なマシンということで、PC98ユーザーからは"夢のマシン"とされていた。特にPC-9821Ap/As/Ae/Af/Ap2/As2/Anの7機種は今でも愛用する人が多い。フロントパネルのデザインはPC98末期のデスクトップモデルまで引き継がれることになる。
なお、98MATE 2世代目以降のMS-DOSとWindows 3.1をプリインストールしたモデルでは、現在のメーカーPCのようにHDD内にリカバリイメージを内蔵していた。誤ってリカバリデータを消してしまうと、リカバリするには別売のリカバリディスクを購入する必要があった。
○DOS/V機の台頭
1993年、これまで日本国内では国産機を開発・販売してきた富士通とエプソン(正確には新設されたエプソンダイレクト株式会社)からDOS/Vマシンが発表された。これまでの独自アーキテクチャーから世界標準のPC/AT互換機への移行を予期させる出来事であった。
エプソンダイレクト(EPSON) Endeavor ATシリーズ
(月刊アスキー 1994年3月号)
デルコンピュータ(DELL) デスクトップ・シリーズ
(月刊アスキー 1994年3月号)
コンパック(COMPAQ) PRESARIO 433
(月刊アスキー 1994年9月号)
1994年のパソコン販売店の広告 (西武パソコンプラザ、ツートップ)
(月刊アスキー 1994年3月号)
1994年7月、独自仕様のローカルバスやファイルスロットを廃止して、よりコストパフォーマンスを追求した新型98MATEが発表された。
○PC-9821Xt/Xa/Xn/Xp/Xs/Xe(98MATE Xシリーズ) (1994年7月発表)
(月刊アスキー 1994年9月号)
PC-9821Xt,Xaは新たにPCIバスを搭載した。PC-9821Xn/Xp/Xs/Xeは98MATE Bシリーズの後継という位置づけ。
98MATE Aから256色表示に関する一部の機能(プレーンアクセスモード)が削除されたことで、ごく一部のソフトウェアで互換性の問題が生じた。
○PC-9821V10/12/13(98MATE VALUESTAR) (1996年2月発表)
(月刊アスキー 1996年4月号)
MS-DOS 6.2/Windows 3.1とWindows 95の両方がプリインストールされていて、初回起動時にどちらを使用するか選択するようになっている。Windowsに特化したモデルであり、DOS時代の一部の古い仕様が省略されている。
ディスプレイが標準で付属する。オフィスソフトも標準で付属し、"一太郎/ロータス1-2-3"と"MS Word/Excel"のどちらか一方の組み合わせを選択できる。
○PC-9821Na13/H10/C10(98NOTE Lavie Na13) (1996年3月発表)
(月刊アスキー 1996年4月号)
Pentium 133MHz、800x600ドットカラー液晶、PCM録音再生機能+拡張FM音源、PCカードスロット搭載。DOSゲームに必要なFM音源を搭載しつつ、Windowsを動かすために必要なハードが揃っている。
PC-9821Na13/C10はディスプレイが640x480ドットだが、DOSを使うときに画面周りに枠が入らないので、DOS用途では最適。
○急速に勢力を伸ばしたFMVとGATEWAY
富士通 FMV-DESKPOWER、FMV-BILBO
(月刊アスキー 1996年4月号)
日本ゲートウェイ2000 8ページにも及ぶ特大広告
(月刊アスキー 1996年4月号)
1996年のパソコン販売店の広告 (ピー・アンド・エー)
(月刊アスキー 1996年4月号)
1997年10月、Microsoftの"PC97ハードウェアデザインガイド"と"PC98システムデザインガイド"に準拠した"PC98-NXシリーズ"(全26機種)が発表され、PC-9821シリーズは主役の座を降りることになった。その後もいくつかの新モデルやWindows 98、Windows 98 SE、Windows 2000のPC98版が開発されたが、2003年9月をもってPC98全機種の受注を完了した。
○パッカードベルNECジャパン Avanza NXシリーズ
(月刊アスキー 1998年8月号)
PC98-NXシリーズをベースにパッカードベルNECジャパンによるダイレクト販売向けにカスタマイズされたブランド。中身はPC98-NXシリーズと同じらしい。パッカードベルNECは早々に解散し、NECによるVALUESTAR・LaVieのダイレクト販売に移行した。
古いコンピューターの広告に興味がある方は別館のThe Old Computer's Adverts Museumをご覧下さい。より高解像度なイメージで様々なメーカー・機種の広告を取りそろえております。
コンピューター広告博物館を作ってみた [Retro PC]
○機種型番の由来
全て推測に過ぎませんが、特に自信がないものには(?)を付けました。
- PC-9801F - FDD内蔵 → F
- PC-9801E - 経済性がいい(広告の文言より) → Economy → E
- PC-9801M - 1.2MB FDD内蔵 → M
- PC-9801U - マイクロフロッピーディスク(3.5インチFD) → Micro → μ → U (?)
- PC-9801VM - CPUにV30を採用 → V
- PC-9801VX - エクセレント16ビット(カタログの文言より) → Excellent → X
- PC-9801CV - カラーCRTディスプレイ一体型 → Color CRT → C
- PC-9801RA - 高速32ビットCPU採用 → Rapid → RA (?)
最上位モデル → Ace → A (?) - PC-9801RS - Standard → S (?)
- PC-9801DX - デスクトップ98スタンダード → Desktop → D
- PC-9801FA - ファイルスロット採用 → File Slot → F
- PC-9821An - Pentium 90MHz → ninety → n
- PC-9821Af - Pentiumのコードネーム(P5)または80586 → five → f
- PC-9821Ap - Professional → P
- PC-9821Xa - Advanced 98(カタログの文言より) → a
- PC-9821Xt - ミニタワー型 → tower → t
- PC-9821Xv - フロントファイルベイ搭載 → bay → v (??)