RS-232Cケーブルを使って2台のPC98間でファイル転送
NEC PC98のMS-DOSにあるCOPYAコマンドを使ってファイル転送をする方法。
○必要なもの
- RS-232Cインターフェースを搭載するPC98本体 x 2台
- NEC版日本語MS-DOS バージョン3.3C以降 (PS98-019)
- RS-232Cリバースケーブル
MS-DOSはバージョン3.3B以前だとアスキー形式(テキストファイル)での転送しかできません。バイナリ形式で転送するにはバージョン3.3C以降を使用してください。
RS-232C(シリアル通信)ケーブルにはストレートケーブルとリバースケーブル、また9ピン端子用と25ピン端子用があります。種類の詳細はこちらを参照してください。
○ファイルを転送する
1. RS-232Cリバースケーブルを接続
ストレートケーブルとリバースケーブルは見た目では見分けが付かないことがあります。テスターの導通テスト機能を使ってピン結線を確認しておくといいでしょう。
2. RS-232C伝送モードの設定を確認
ディップスイッチ(またはシステムセットアップメニュー)のSW1-5,SW1-6が両方ともOFF(Open)、つまり調歩同期に設定してあることを確認します。
3. RS-232Cドライバを導入
MS-DOSを起動します。
ルートディレクトリにあるCONFIG.SYSを適当なテキストエディタで開き、「DEVICE=RSDRV.SYS」または「DEVICE=A:\DOS\RSDRV.SYS」を追加します。
またはCUSTOMコマンドを利用します。
設定を保存してリセット(再起動)した後、MS-DOSの起動メッセージに注意します。「RS−232Cインターフェイスが使用可能です」というメッセージがあればRSDRV.SYSが導入されています。
マイクロソフト MS-DOS バージョン 3.30C
Copyright (C) 1981,1990 Microsoft Corp. / NEC Corporation
AIかな漢字変換が使用可能です
辞書は、カレントドライブの NECDIC .SYS です
RS−232Cインターフェイスが使用可能です
Command バージョン 3.30C
A>
4. 通信パラメータを設定
SPEEDコマンドをスイッチを指定せずに実行します。
「RS232C-0」を選択。ボーレートは適当なものを選んでいいのですが、キャラクタ長は8ビット、パリティは無、Xパラメータは無を指定しなければなりません。
AUTOEXEC.BATでSPEEDコマンドをスイッチを指定して実行すれば、起動毎に手動で設定する手間が省けます。
コマンドの詳しい使い方についてはMS-DOSに付属のマニュアルを参照してください。
ここまでの作業は送信側・受信側とも共通です。
(引用元:『MS-DOS 3.1 ユーザーズ マニュアル』、日本電気株式会社、1985年)
5. 送信側の準備
送信するファイルのサイズが100KBを超える場合はLHAなどのアーカイブソフトで圧縮しておくことをお勧めします。
送信するファイルを用意したら、COPYAコマンドをスイッチを付けずに実行します。
「機能」では「送信」を選択します。
「ファイル名」には送信するファイルの相対パスまたは絶対パスを指定します。ワイルドカードも指定できます。
「ファイルの種類」には「バイナリファイル」を指定します。
6. 受信側の準備
COPYAコマンドをスイッチを指定せずに実行します。
「機能」は「受信」を選択します。
「ファイル名」はファイル名を変えて受信する場合に指定します。
「ファイルの種類」には「バイナリファイル」を指定します。
7. ファイル転送
受信側で開始を実行してから、送信側で開始を実行します。両者のタイミングが多少ずれていても問題ありませんが、数十秒もずれるとエラーが出て処理が中断されてしまいます。
うまくいくと受信側で「ファイルを受信中です」というメッセージが表示されます。
8. ファイル転送完了